【無線部アドカレ】たのしいAM通信!

*こちらは、「大学無線部アドベントカレンダー」12/7日用の記事になります。

adventar.org

掲載が遅くなりましたことをお詫びいたします<(_ _)>

 

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みなさん、クリスマスイブですね!皆さんには、大切な家族と過ごしたり恋人とデートに行ったりなどたくさんのたのしい予定があることでしょう!

 

私ですか?私にももちろん予定があります。

 

ずばり

「1エリアAMコンテスト」です!

 

と言うのも、最近私は珍しいモードやバンドにハマっていまして、特にAM通信が私の中では激熱のブームなのです。

そこで今日は、私の最近のAM活とともに私が感じたAM通信の魅力をご紹介します。

 

 

1エリア 6m AMロールコール

 私が初めてAMを運用したのは、この「1エリア6mAMロールコール」でした。

 「1エリア6mAMロールコール」は毎週日曜日に50.55MHz AMにて行われているロールコールで、数局の方が持ち回りでキー局を担当されています。毎回数十局のチェックインがあり、中には自作機やQRPでチェックインされる方もいる非常に活発なロールコールです。実は、中・高生の時にキー局を2度ほど体験させていただき、その時の記憶が今のAM(マイ)ブームにつながっています。

 今回AM通信にチャレンジするにあたり、このロールコールを活用させていただくことにしました。しかしながら、通常のチェックインは21時からで、日曜日は学生会館が19時30分に締まるZLOからではキー局を担当することはできません。しかし、担当されるキー局によっては午前中や昼過ぎにアーリーチェックインの時間が設けられていますので、この時間帯でのチェックインと、ロールコール周波数周辺でのAM運用を狙いました。久しぶりのAM運用ですので、手探りの状態で運用を始めます。

 沢山の方に読んでいただくために、まずはロールコールにチェックインし、自分が運用しているという情報をキー局の方にインフォメーションとして伝えるという作戦を立てました。チェックイン受付中、キー局の方はロールコール中定期的にインフォメーションを読み上げてくださいますので、沢山のひとに運用していることを知ってもらえます。

 

 1回目のAM運用は2023年10月29日のロールコールで、キー局は埼玉県川越市の局でした。

 CQを出す前にまずはチェックインを試みますが、キー局の信号は聞こえているにも関わらず応答がありません。仕方なくチェックインはあきらめ、そのまま少し上の周波数にて運用を開始しました。

 しばらくすると応答があり交信を始めましたが、その局からのレポートによると、どうやら当局の変調が浅く了解度がかなり低いようです。無線機のALCメータを確認すると全く針が振れていません。マイクゲインを最大にし、マイクのすぐそばで大声でしゃべったところ、ようやく変調がかかったようでクリアーな変調とのレポートを頂きました。その状態で再度ロールコールへのチェックインを試みると無事にチェックインに成功し、その日はその後数局の方と交信することができました。

 

意気揚々と成果報告をする私のツイート

 

 当初、「AMは変調がシビアですぐ過変調となってしまう」というウワサを聞いていた私はSSBより控えめなゲインとマイクの設定をしていました。しかし、それだと変調が全く乗らなかったことから、どうやらAMはかなり頑張らないと変調がのらないのだと思い込んでしまいました。

これが間違いだと気づくのはもうすこし後の話です。

 

 そして2回めの運用は、次の月の19日のロールコールです。

 この日のキー局は、東京都武蔵野市の8J1ECLです。ご近所ですので、まずはいちばんのりでチェックインした後、「50.650MHzで運用します!」とインフォメーションを伝えます。(このとき、駒場祭に関するインフォメーションをお伝えし忘れたのは内緒の話です。)

 運用後しばらくすると、チェックインを終えた局にぽつぽつと呼んでもらえます。各局、私がAM運用ド初心者であることを伝えると優しくお相手頂け、お互いリグやアンテナの紹介をしたり、AMでのDXQSOのお話を伺ったり、はたまた駒場祭の宣伝をしたりと、小一時間まったり楽しく運用できました。

 

 ロールコールの取りまとめをしてくださっているJP1EVD/0 吉原OMのTwitterに取り上げていただきました。

 

 そんなこんなでだんだんとAM運用に自信がついてきた私は、さらなるステップへ足を進めます。

 

1エリアAMコンテスト

 毎年、1エリアでは年末にまんなかくらぶ様主催の「1エリアAMコンテスト」が開催されます。コンテスト名に50メガや6mとは入っていないものの、コンテスト周波数は50.50MHzから50.90MHzの40kHzしかありません。AMにしっかりハマった私は、JA1ZLOとして固定局部門優勝を目指して参加することにしました。

 さて、前回の6mAM運用を含めいつもはYAESUのFTDX3000を使用している私ですが、このコンテストではIcomのIC-756PROIIを使用することにしました。主な理由は、

  1. 以前8J1ECLでAMを運用した際はあまり大声を出した記憶がなく、その時使っていたのがIcom機だった点
  2. FTDX3000のAM最大出力が25Wであるのに対し、IC-756PROIIのAM最大出力は40Wで、後者の方が出力的に有利である点

の2つです。

 

 8JECLを運用した際は、武蔵野市常置場所のIC-9100Mを純正リモート運用ソフトRS-BA1を経由して自宅から運用しました。確かマイクはイヤホンに付属しているものを使用し、そんなに声を張り上げた記憶はありません。そんな状況でもしっかりと変調がかかっていた筈です。以前AMで交信した際に、お相手から「YAESUのAMはちょっと…」というお話を聞いていたこともあり、YAESU機ではなくIcom機を使用してみることにしました。

 また、2つ目の出力に関しては、仕様を紹介しているWebサイトを見れば一目瞭然です。FTDX3000よりもIC-756PROIIの方が倍近くの出力が出ますので、コンテストという事もありこちらを使用することにしました。

 

FTDX3000仕様ページより引用。

IC-756PROII仕様サイトより引用。

 さて、コンテストは朝10時からの開始です。一時間前の9時に部室に入れば間に合うと踏んだ私は、8時に起床し簡単に朝食をとってからシャックに向かうという完璧な計画を立てました。しかし、前日夜遅くまで起きていた私が起床したのは、まさかの9時20分…。まずいです。このままでは準備はおろかコンテスト開始時間にすら間に合いません。急遽そこにおいてあった服に身を包み、シャックまで走ります。さんぽ中のイッヌを眺めるヒマもありません。朝食を抜かした甲斐もあり、何とかコンテスト開始までに準備を間に合わせることに成功しました。

 

 zLogをたちあげ、IC-756PROIIと6エレ八木を接続し最初はRunから始めました。最初の1時間ほどはぽつぽつと呼んでいただけ、大体1分1QSOくらいのレートで進んでいきます。

 コンテスト中は、八木の指向性と相手局の変調に悩まされました。このコンテストにはQRP部門があり、なんと出力制限は0.5W以下!です。そのため、八木のサイドから呼ばれるとかなり弱いか全く聞こえない場合もちらほらありました。それに加えて、東京という人口密集地に囲まれたロケーションでは、田舎者の私は東西南北どこに八木を向けていいのかピンときません。そのため、こまめに八木を回すことを意識して運用しました。中には、八木を合わせるまで何度もお呼び頂いた方も…お手数おかけしました。また、たまに極度に変調が浅い局やノイズが載っている局が散見されました。そのような局の聞き取りはなかなか慣れず、何度もお呼び頂くことになってしまいました。

 

さて、コンテスト中使用したIC-756PROIIですが、FTDX3000の時のようにマイクに向かって大声を上げる必要もなくSSBと同程度の入力でもしっかり変調が載っている様子で、コンテスト前の交信でも少し浅めという程度の良好なレポートを頂きました。FTDX3000を使用している際には大きな声でしか振れなかったALCメータも、PTTを押すだけで7割ほど振れています。これは後で調べて分かったことなのですが、ここら辺の針の振れ方はメーカによってかなり差がある様です。なにはともあれ、ボイスメモリなども使用し、何とか喉を守りつつ前回2位相当のスコアでコンテストを終えることができました。

 

コンテスト終了後、ログの提出を挙げてテンションが上がった私は、そのまま7MHzでのAM運用にトライしてみることにしました。

 

7,195kHz AM運用

 さて、今までは50MHz帯のみだったAM運用でしたが、実は7MHzを含めHF帯でも運用することができます。特に、7MHz帯では7,181kHzと7.195kHzの2波が主に使われているようです。今回は後者にて運用してみました。使用するのは、FTDX3000です。いつものようにマイクゲイン最大に大声で運用を開始します。比較的すぐ応答していただくことができました。お近くの局だったこともあり、双方59/59で交信終了し、CQ再開します。

 その間なんとなくFTDX3000の「オペレーションマニュアル」を読んでいると、「SSB/AMモードでの交信」の項に驚きの記述を発見しました。

AM モードで送信するときには、無変調時に PO メー ターの指示が“約 25W”(M タイプは約 12.5W、S タイプは約 2.5W(50MHz 帯は約 5W))を示すように、【PROC/CAR】ツマミで調節してください。PO メーターの振れは目安です。

(中略)

【MIC/SPEED】ツマミをまわしてマイクゲインの調節をします。

◎ AM モード 音声のピーク時でも、ALC が振れない位置に設定し ます。

FTDX3000オペレーションマニュアルより引用。*1

どうやら、AM運用時は

  1. 無変調時に25W送信となるように出力を設定し、
  2. ALCつまみは振れてはいけない

ようです。いままで私は100W送信に設定し、ALCが最大まで振れるように入力をしていました。完全に真逆です。早速この設定に変更し、交信を再開します。するとあら不思議、あんなに叫ばないと変調が載らなかったのがウソのように了解度5のレポートを頂けました。

交信のお相手の方にこのことをお話ししたところ、以下の2点を教えていただきました。

  1. 無線機の出力表示は、SSBは尖頭出力で、AMは平均出力でそれぞれ表されるためAMの出力の表示はSSBの1/4になる。
  2. キャリアの出力を上げすぎると変調が極端に浅くなり、了解度の低い電波になる。

 なるほど、今までの私の中の疑問が少しずづ解けてきました。

 まず、1.についてですが、これは無線機のカタログを見るとAMの最大出力がSSBやCWよりも低いことからなんとなく知ってはいました。しかし、YAESUの無線機(すくなくともDX3000)では自分で出力を下げる必要があるみたいです。確かに、FTDX3000の出力つまみはIcom機のように「RF POWER」ではなく、「PROC/CAR」という表示になっています。キャリアの出力を調整するつまみという意味なのでしょうか。(はて、ではPROCとは何だろう…。)IC-756PROIIの取説に同様の記載はありませんでしかたら、Icom機ではなんかいい感じに内部で調整してくれるみたいです。

 そして2.についてですが、これがFTDX3000では大声を出さないと変調がかからなかった原因だと思います。出力が100Wになっており、これが高すぎたためにがんばらないと変調が載らなかったのでしょう。実際に出力を25Wに下げてからはALCを振らせなくても良好に変調がのるようになりました。快適です。

 

 そんなこんなで、この日はその後8局の方に読んでいただき、合計10QSOと上々の出来でした。

 

私の思う、AMQSOのたのしい点

 さて、上記のように最近AMにはまっている私が思う、AMQSOの良いところをいくつかご紹介させていただきます。

やさしい変調音

 AMの変調音は、他の電話モードのそれと比べて聞きやすく感じます。SSBは、特に相手の周波数がずれてるときはキンキンとして受信音になりがちで、しかもゼロインが少し難しいです。それに比べてAMの受信音はSSBと比べて聞きやすく、また多少周波数がずれていてもキンキンすることはありません。また、FMと比べると音質という面では劣りますが、AMの特徴的な柔らかい受信音は親しみやすく、電波を使って話している感じがあります。DV(Digital Voice)などのデジタル変調とは言うまでもありません。

 このように、AMの暖かな音質は交信してもとても気持ちの良いものだと思っています。ただ、たまに(私のように)変調が浅かったりする人もいて、聴き取りに苦労する場面もあります。

 

ゆったりとした時間時間感覚

 特に7MHzでSSBなどを運用していると、沢山の方に呼ばれてレポート、QTH、名前を簡単に紹介するだけのあわただしい交信になることが多々あります。それもそれで楽しいですが、あまりにそっけなく、物足りなく感じてしまうときはありませんか?

 AMでの運用では、まずあまりパイルアップになるという事はあまりありません。そのため、交信の際には上に挙げた3つの項目の他にお互いの設備や出力なども紹介しあう余裕があります。時には、私のようにわからないことをお相手に聞くことができるなど、ゆったりとした交信を楽しむことができます。SSBのパイルアップで心がすさんだときにお勧めです。

 

自作勢が多い

 AMを運用していると、無線機紹介の際に結構な割合で自作の無線機やオールドリグを使われている方が多くいます。皆さん、無線機やアンプを自作したり、オールドリグのレストアをしたりなどして楽しまれているようです。私も、オールドリグのレストアにはチャレンジしてみたいと思っています。

 ゆくゆくは私も自作機を…と思っている方にはたのしいモードではないでしょうか。

 

新たに生じた疑問

 FTDX3000の100W機でAM出力が1/4の25Wになることは理解できました。しかし、IC-756PROIIのAM出力は40Wです。これでは、SSBに換算したときに160W近くも出力されていることになってしまいませんか?ネット上には、250W以上の送信機やアンプの免許をおろして使用している方もいますので、単純にSSB時の1/4という話では無い様です。

 また、FTDX3000とIC-756PROIIではALCメータの振れ方が違うようです。それぞれの取り扱い説明書には、FTDX3000は「メーターが振れない程度」、IC-756PROIIでは特に記載はありませんでしたが、「SSB運用時は、ALCゾーンを超えないように監視してください。」との記載がありました。各社傾向が違うみたいですので、確認しておく必要性がありそうです。そもそもALCはSSB送信機送信機において過入力を防ぐものですので、AMではあまりアテにするものではないのかもしれないですが…。

 

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以上、私の最近のAMライフのご紹介でした。

私もまだまだAMド初心者ですが、ほのぼのと楽しめています。

AMはやったことないよーという皆さんも、ぜひAMにチャレンジしてみてください!

 

それでは。

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リンク集

 

1エリアAMロールコールのサイト

www.6mam.com

1エリア以外にも、2、3エリアなどでAMロールコールが行われています。

 

まんなかくらぶ様のホームページ

6mnet.jp

 

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